PRODUCTION NOTES

撮影現場レポート・その2
本物のホテル同然!?
大人数にて撮影された
ホテル・コルテシア東京
対策本部の撮影から数日後、撮影は東宝スタジオに移り、山岸尚美役の長澤まさみが加わった。ホテルマンの基本を学ぶため、撮影前に1日だけ研修を受けた長澤だったが撮影初日に臨んだその姿は、まさにホテルマンそのもので、その立ち振る舞いに監督、木村も驚きを隠せなかったほどだ。東宝スタジオのセットではロビーのシーン、フロント裏にある宿泊部オフィスなどのシーンを撮影しているが、ホテルの1日の流れが分かるように、朝のチェックアウト時は人が多く、昼帯はまばら、夕方にはまた人が増えていく……というように、エキストラの人数をシーンに合わせて調整することも必要だった。撮影時には常に大人数のエキストラが控えており、その様子はまさに本物のホテル同然だった。物語の後半、新田と尚美が深夜のフロントに立つシーンは、本作品のタイトルにもなっている“仮面”について語られる象徴的なシーンとなっている。屋上で衝突した後のシーンであることから、2人の間にはピリッとした緊張感が流れているが「ホテルに来る人々はお客様という仮面をかぶっています」と語り出す尚美の言葉、それを静かに重く受け止める新田、いつの間にか2人の間には、刑事とホテルマンそれぞれの職業を尊敬し合う気持ちが生まれていた。そんな内面が滲み出てくる芝居を鈴木監督は背中のシルエットをメインに撮っている。贅沢な撮り方だ。「……ホテルで働くこと自体を辞めます」「俺も刑事を……警察官を辞めます」そのシーンのそれぞれの最後のセリフのみ正面と横顔のカットがカメラに収められた。ちなみにフロントの内側の装飾にもリアリティがあり、パソコンの宿泊画面、「HOTEL CORTESIA TOKYO」のロゴ入りのメモ帳やペン、パンフレット、なかなか映らないような所にも本物さながらのホテルアイテムが揃っていた。空間の色味にも監督こだわりの対比があり、ホテルのロビーなどはやすらぎを感じるアンバー色、バックヤードは蛍光灯の寒色系で変化を出している。ホテルの客室廊下や宴会場は原作のモデルとなっているロイヤルパークホテル(日本橋)を借りて撮影が行われた。